
ブリッジテーブルを囲むポアロの前での殺人事件という、とんでもない設定を、ポアロに提示したクリスティ。女王は、何を考えるか全く予断を許さないと読者に思い起こさせた作品でしょう。
欧米のエスタブリッシュメントの間では、とかく好まれているカードゲーム「ブリッジ」が主場面で、そのゲーム要素が事件に組み込まれているという、まさに欧米本格派読者の心に訴える要素がふんだんに入っている。
カードゲーム愛好者には、必ず未来永劫売りつづけられるベスト・ロングセラー・ミステリーでしょう。女王は、凄い商売上手です。
ミステリーの内容が、まあ、超一流のプロットであるので、ビジネスの成功もむべなるかな。
ABCと本作品と比べて、どちらがナンバー1であろうか、などと思わせるほどの完成度です。

ひらいたトランプ
かっこいい翻訳題名ですね。内容も伺わせるし、現代の要素も入っている。やはり名訳は、単純明快の要素が重要ですね。「テーブルの上のトランプ」では、原作の意味合いがかえって盛り込めないかもしれません。「ブリッジ殺人事件」なんかにしてしまったら、もう、何のことやら・・。