写実的なカットからペンがタッチまで、多様な英太郎作品が提供されていて、興味深いコレクションとなっている。
<かつみ夫人>(13回目)
<かつみ夫人>(8回目)
<かつみ夫人>(7回目)
<かつみ夫人>(2回目)
<かつみ夫人>(1回目)
<千駄ヶ谷女学生殺し>
(2回目)
<バラバラ事件>(3回目)
<説教強盗>(8回目)
<説教強盗>(4回目)
「美人の箱詰死体」第1回の挿絵
英太郎のサインが挿絵左下に明記されている。










昭和7年から昭和9年まで連載されたと思われるコラムで、筆者は『高井 壮吉』。
コラムは、293回掲載され、英太郎は、第14回目の掲載(第二話第一回より)から挿絵を提供。
提供挿絵数は、280に上る。第一話(連載第1回目から第13回目)の挿絵は今井一郎氏という挿絵作家が提供していた。
この画業は、画集「百怪、我ガ腸ニ入ル」の竹中英太郎画譜にも登録掲載が無く、今回、新しく発掘した作品業績であると思われる。
本コレクションは、個人が作成したスクラップブックで、当時の新聞紙面を集めたもの。掲載号の抜けは無い完全揃いの状態である。
英太郎の業績としては、挿絵との決別を表明した「大江春泥作品画譜」(名作挿絵全集第4巻収蔵)の前年に当る時期のものであり、注目すべき作品群と言えると思う。
戦前の挿絵画風が色濃く反映されており、内容も「ペン画」タッチのものから「水彩」タッチのものまで多彩であり、独特の人物表情表現が良く表されている。
この連載の本文は、当時の実際に起きた殺人事件などをルポルタージュしたもので、「実話シリーズ」と呼べるようなもの。内容は、誘拐殺人、痴情殺人、などが主体となっており、当時のエログロナンセンス風潮を反映した読み物のようだ。
「時事新報」社は、明治に慶応創始者の福沢諭吉が設立した、特定政治政党に属さない独立系新聞として地位を持っていたメディアで、発行部数もメジャーな媒体であった。
感覚的には「夕刊フジ」や「夕刊ゲンダイ」の三面記事的コラムと思えば近いのではないだろうか。
捕物秘帖<時事新報に連載>高井壮吉著
第一話「少将令嬢殺し」 掲載1回〜13回
第二話「美人の箱詰死体」 掲載14回〜33回
第三話「説教強盗」 掲載34回〜49回
第四話「バラバラ事件」 掲載50回〜83回
第五話「千駄ヶ谷女学生殺し」 掲載84回〜110回
第六話「デパートの蜘蛛」 掲載111回〜125回
第七話「情痴の首」 掲載126回〜185回
第八話「かつみ夫人」 掲載186回〜251回
第九話「死の裸形」 掲載252回〜293回
新聞記事のスクラップ集を発見。個人の英太郎挿絵コレクション。
「時事新報」に293回連載された読物に、英太郎は280点の挿絵を提供していました。
これらの作品は、今でに書籍や雑誌の形で復刊された事が無いので、極めて貴重な挿絵コレクションということが出来ると思う。