ミステリマガジン 2005年11月号
チェックリスト&レビュー : (評者)南波 雅
ミステリマガジン 2005年11月号 132頁
<周辺書> ジョン・ディクスン・カーの世界
(John Dickson Carr: A Critical Study, '90) S・T・ジョシ/平野義久訳
ディクスン・カー研究の先駆け的作品。カーの作品を探偵別・カテゴリー別に分類、集約し、それぞれについて考察。さらにカーの哲学論や、彼の小説作法、さらには超自然現象への接し方までについても言及した研究書である。カー・マニアならば必読、好事家向きの名著である。そして、そうでない人もミステリ好きなら、”ミステリ”の骨子は何かと考えさせられることは間違いない。読み応え十分の一冊。通販購入者には、おまけでカーの高校時代のポートレートがついてくる。
ミステリ洋書通販●MURDER BY THE MAILより:(評者)森 英俊
ミステリマガジン11月号 33頁
<色彩の魔術師>の魅力
カー・ファンにとって最高の贈り物ともいうべき評論書が、一愛好家の手で自費出版された。S・T・ジョシの『ジョン・ディクスン・カーの世界』(創英社/三省堂)がそれで、翻訳にあたられた平野義久氏はみずから版権を取得、造本もハードカバーというこだわりようである。
そこでは、ジョシが「探偵小説界における最高の<色彩の魔術師>」と評したカーの魅力が、あますところなく語りつくされている。シリーズ探偵たちの魅力、一連の歴史ミステリ作品の魅力、カーの作品からにじみ出てくる探偵小説に対する熱い思い、等々。
